当社が施工に携わった以下の2作品(太子町新庁舎「太子の環」・敦賀駅交流施設「オルパーク」)が、『第58回(2017年)BCS賞』を受賞しました。
なお、今年度のBCS賞は、全国各地からの応募76作品から、17作品(うち特別賞2件)が選定されています。
「BCS賞」は、「優秀な建築物をつくり出すためには、デザインだけでなく施工技術も重要であり、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要である」という建築業協会初代理事長竹中藤右衛門の発意により昭和35年(1960年)に創設され、以後、わが国の良好な建築資産の創出を図り、文化の進展と地球環境保全に寄与することを目的に毎年、国内の優秀な建築作品の表彰を行っております。
(一般社団法人 日本建設業連合会HPより)
第58回BCS賞受賞作品
作品名 | 所在地 | 設計者 | 施工者 |
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このはなアリーナ | 静岡県 | 内藤廣建築設計事務所 | 鹿島建設 他2社 |
新宿東宝ビル | 東京都 | 竹中工務店 | 竹中工務店 |
太子町新庁舎「太子の環」 | 兵庫県 | 坂本昭・設計工房CASA | 大鉄工業 |
竹中大工道具館新館 | 兵庫県 | 竹中工務店 | 竹中工務店 |
敦賀駅交流施設「オルパーク」・駅前広場 | 福井県 | 千葉学建築計画事務所 ジェイアール西日本コンサルタンツ 他 |
大鉄工業、濱田建設 |
TSURUMIこどもホスピス | 大阪府 | 大成建設 | 大成建設 |
東京駅八重洲口開発 | 東京都 | 日建設計 ジェイアール東日本建築設計事務所 他 |
鹿島建設 他6社 |
TOTOミュージアム | 福岡県 | 梓設計 | 鹿島建設 |
桐朋学園大学調布キャンパス1号館 | 東京都 | 日建設計 | 清水建設 |
としまエコミューゼタウン | 東京都 | 日本設計 他 | 大成建設 |
TOYAMAキラリ | 富山県 | アール・アイ・エー 他 | 清水建設 他1社 |
虎ノ門ヒルズ | 東京都 | 日本設計他 | 大林組 |
直島ホール | 香川県 | 三分一博志建築設計事務所 | 鹿島建設 |
MIZKAN MUSEUM | 愛知県 | NTTファシリティーズ | 竹中工務店 |
YKK80ビル | 東京都 | 日建設計 | 鹿島建設 他3社 |
日本橋ダイヤビルディング(特別賞) | 東京都 | 三菱地所設計 他 | 竹中工務店 |
早稲田大学早稲田キャンパス3号館(特別賞) | 東京都 | 久米設計 | 戸田建設 |
敷地面積 | 11,707m² |
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建築面積 | 4,614m² |
延床面積 | 8,181m² |
階 数 | 地上3階、塔屋1階 |
構 造 | 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造) |
建築主 | 兵庫県太子町 |
設計者 | 坂本昭・設計工房CASA |
施工者 | 大鉄工業株式会社 |
竣工日 | 2015年8月12日 |
「太子の環」は、街の機能軸である県道と、文化軸である旧西国街道の交点に建設された。庁舎全体が緑でつながる公園のようなデザインで敷地内に大小含めて10棟の建物が数珠のように環を構成して配置されている。
本工事の特徴は、白壁やレンガタイルなどの素材の質感を引き立てる各壁面のベースとなるコンクリート打放しである。中でも杉板化粧型枠コンクリート打放しは、建築を引き締める要となる部分であり、入念な施工計画を立て、徹底的な管理体制のもと施工を行った。
また、施工難易度の高い直通階段は、蹴込部化粧コンクリート打放し+踏面部コンクリート金ごて押えといった高い意匠性が求められた。一般的な施工法では、充填不良や変形、下桟や小口跡などが多くみられることが想定される為、まず階段部を傾斜スラブとして構築し、その上に階段分を重ねる施工法を採用した。段部分については、二つに区分して施工することにより細部を含めた精度の高い階段室全面の化粧打放しを実現した。
敷地面積 | 5,028m² |
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建築面積 | 764m² |
延床面積 | 1,161m² |
階 数 | 2階 |
構 造 | 鉄筋コンクリート造 |
建築主 | 敦賀市 |
デザイン監修 | 株式会社 千葉学建築計画事務所 |
設計構造協力 | 有限会社 金箱構造設計事務所 |
設計設備協力 | 株式会社 環境エンジニアリング |
設計者 | ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社 |
施工者 | 大鉄工業株式会社 |
竣工日 | 2015年10月4日 |
「オルパーク」は明治42年頃の旧木造駅舎のイメージを2つの「木の箱」で体現し、大きな「ガラスの箱」で包むようなデザインで、新しい駅舎に必要な機能を補完して過去と未来をつなぐ敦賀の新しい顔を実現している。
2棟のRC造2階建の躯体上部にR階の鉄骨梁を配置した複合構造であり、RC造部分の内部側もコンクリート化粧打放しの吹き抜け空間であるため、RC躯体上部に配する鉄骨梁は、コンクリート打設に先立ち、支保工で指示する形式で建て方を行い、所定の精度を確保したうえでコンクリートを打ち込むことで下部構造と一体化する手順を採用し、施工精度の確保に努めた。
また、コンクリート化粧打放しの良好な出来栄え確保のため、自由落下の低減を目的とした器具の工夫、縮小モデルを使用した締固め器具の影響範囲の確認及び流動特性の確認を行った。
外部仕上げの多くを占める溶融亜鉛メッキリン酸処理パネルの花柄模様の均質化を目指し、鋼板におけるケイ素含有量の調整及び同一ロット使用の管理を行った。