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工事現場の施工監理からスタートし、それぞれのキャリアを歩み、
いつの日か現場責任者として活躍する。
そこで発揮する価値は、人によって異なる独自のものだ。
どのような日々を歩み、何を得るのかは自分次第。
現場のマネジメントから、積算・技術提案・企画、社内の革新プロジェクト担当に至るまで。
独自のキャリアを歩んできた先輩社員が、これまでの道と「今」を語る。
土木支店
土木工事第五部
2003年入社
「阪神・淡路大震災」の被災経験から、社会インフラの重要性を感じて建設業界へ。身近な鉄道インフラを扱い、学生時代の先輩が活躍する大鉄工業を選んだ。駅の高架化工事、関西国際空港連絡橋災害応急工事などの大規模工事を歴任。ICT・DX推進プロジェクトをリーダーとして牽引した経験を持つ。現在は、再び工事現場に活躍の場を移し、現場代理人を務める。
現場管理のポジションからキャリアをスタートした私が、土木支社の間接部門に異動になったのは入社7年目のこと。上司の言うことをそのままこなすのではなく、自分なりのアイデアで現場を改善していく面白さを感じていたタイミングでのことでした。
間接部門の役割を一言で表すなら、土木部門の「何でも屋」。競争入札における、積算・技術提案を担ったり、組織のあり方や働き方、業務の見直しを行う企画業務を行ったり……。さまざまな業務に携わることで、組織全体を見渡すことのできる俯瞰的な視野が身についたと思っています。中でも印象に残っているのは、災害・トラブルが発生した各現場への緊急サポートを任されたこと。私自身、「阪神・淡路大震災」の経験から、この業界を志望した経緯がありましたので、建設業が持つ使命を強く感じることができました。那智川の氾濫によって橋梁が流され、現地での対応を行ったことは、今でも忘れられない仕事になっているんです。
辞令をもらったばかりのタイミングこそ、「現場での経験を中断すること」にいささかの抵抗を感じていたものの、間接部門への異動は、私にこれまでには得られなかった機会と出会いを与えてくれました。
私のキャリアにおいて大きな転機となったのは2020年、生産性向上、働き方改革を目的としたICT・DX推進プロジェクトのリーダーを任されたことでした。メンバーにアサインされたのは、チームをマネジメントする部長と私のふたりきり。ICTに関する専門知識もなく、何からはじめていいかもわからない。手探りの状態での船出となりました。自ら立案し、動き出さないと何も生まれない。言われてやる仕事なんて、ひとつもない。ゼロから価値を生み出していく仕事は、私にとって何よりも楽しく、充実したものでした。お客様であるJRのICT利活用ワーキングチームに参加させていただいたり、国の方針を参考にしたり。試行錯誤の日々が、私に新たな知識と成長を与えてくれたと思っています。
もっとも意識したのは、生産性向上・働き方改革という目的を実現するためのプロジェクトにすることです。何か便利なシステムを導入して終わりではなく、本質的な価値の創造を目指す。はじめに取り組んだのは、現状の業務の棚卸しと、そこに関わるデータを抽出し、革新の基盤を整備することでした。いかに優れたAIでも、どのようなデータを食べさせるかによって生み出される成果は異なりますし、現場で役に立たないものが生まれてしまうこともあります。私たちプロジェクトチームは、その基盤を整えた上で、現場の作業を自動化するツールを自らの力で生み出していきました。
正直、すべてのツールが確かな成果を生み出せたわけではありません。「まだ早すぎたな」という取り組みもあれば、現場への浸透が上手くいかなかった取り組みもあります。何よりありがたかったのは、会社の経営陣が「失敗してもいい」と全面的な支援をしてくれたこと。そのおかげもあって、私たちも臆せずに挑み続けることができました。プロジェクトを通じて経験した成功と失敗は、大鉄工業の未来につながっていくものだと考えています。
現在、私はプロジェクトの全責任を預かる所長として、現場に復帰しています。主なミッションは、工事の安全、品質、工程、コストの要素を総合的に管理するとともに、発注者、協力会社などの多くのステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に行う現場全体の統括、マネジメント。そして、次世代を担う若手技術者への継承・育成です。
担当するのは、国道2号拡幅事業に伴う林崎橋の改築工事。10年以上におよぶビッグプロジェクトです。作業所関係者がチームとして一体となり、高品質な建造物を安全につくり上げる。そのためのストーリーを描き、大きなゴールを達成することが、所長としての喜びとやりがいだと考えています。工事に関わるすべてのメンバーに働きやすい環境を整えることは、私の仕事です。そうした環境の中で、若き技術者たちには、自らの成長やチャレンジに前向きに行動していってほしいと考えています。昔ながらの考え方かもしれませんが、効率だけを追い求めていては、「仕事の本質」や「本物のクオリティー」を知ることはできません。大切なのは、プロフェッショナルの知識に触れ、生の声を聞き、さまざまな経験を積むこと。そこで得た「体感」は、その人の成長を大きく加速させることになるからです。
工事現場には、さまざまな人々が関わっています。目の前にいる作業所職員や作業員はもちろん、現場以外の部分で工事の段取り、調整に関わる方々、会社の間接部門の方々に支えられてはじめて、プロジェクトの遂行が可能になるのです。これまでのキャリアの中で、私はそのつながりの大切さを学びました。そして、今後、大鉄工業の現場は大きな革新を迎えることになります。ICT・AIなどの革新的な知見を吸収することができたことは、私にとって何よりも大きな財産です。自らの経験を次の世代に「体感として」継承できる持続可能な仕組みを構築し、さらなるイノベーションの創出に取り組んでいきたいと考えています。
振り返ってみれば、これまでに歩んできたキャリアのすべてが、工事責任者を務める今につながっているような気がします。現場一筋に歩んできた人にとっても、それは同じことなのではないでしょうか。さまざまな経験を通じて切り拓かれた「それぞれの道」が、大鉄工業の現場を形成し、受け継がれ、確かな強みになっていくのだと考えています。