技術紹介
「線路」「土木」「建築」の3部門が力を結集し、
社会を支えるプロジェクトを遂行しています。
牽引式レール交換機・レール整理台車
レール交換作業の省人化・省力化を実現するため、軌陸バックホウを動力とした「牽引式レール交換機」「レール整理台車」を開発しました。
■牽引式レール交換機の特徴
- 多数のレール吊り上げ器を用いた人力でのレール入れ替えが不要。
- 新レール配置位置・旧レール排出位置のあらゆるレール配置パターンに対応可能。
- 軌陸両用車による牽引式のため、運搬等の機動性に優れている。
■ロングレール交換の人力施工と機械施工
■レール整理台車の特徴
- 牽引式レール交換機に追従して走行させることにより、レールを線路外側へ排出可能。
- 現場条件に合わせたレール排出位置の設定が可能。
- 分割することにより、人力での運搬が可能。
■レール整理作業の人力施工と機械施工
軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー
まくらぎ交換後に散乱しているバラストを整理する作業の省人化・省力化を実現するため「軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパー」を開発しました。
■軌陸バックホウ牽引式バラストスイーパーの特徴
- 回転式のメインブラシとベルトコンベアにより線路内の余分なバラストを線路外へ排出可能。
- 動力車と作業車の2台車方式とし、1台当たりの重さを軽量化することで機動性を向上。
- 踏切では、人力による線路外からの搬入が可能であり、容易に線路上への載線が可能。
■バラスト整理の人力施工と機械施工
まくらぎ切断グリッパー
一般のまくらぎより長い分岐まくらぎを交換する作業の省人化・省力化を実現するため、軌陸バックホウ専用のアタッチメント「まくらぎ切断グリッパー」を開発しました。
■まくらぎ切断グリッパーの特徴
- 切断・把持機能により容易に分岐まくらぎの撤去が可能。
- 把持状態のまくらぎを360°回転可能。
- プレート部によりバラストの掘削が可能。
■分岐まくらぎ交換の人力施工と機械施工
まくらぎ積卸グリッパー
PCまくらぎ取卸し作業の省人化・省力化を実現するため、複数のまくらぎを一括して掴むことが出来る軌陸バックホウ専用のアタッチメント「まくらぎ積卸グリッパー」を開発しました。
■まくらぎ積卸グリッパーの特徴
- PCまくらぎを一束まとめて把持することが可能であり、運搬作業の効率化が可能。
- 玉掛者を不要とし、重機械運転者と誘導者のみで積卸し作業が可能。
- 旋回機能により、現場条件に合わせた方向でのまくらぎ取卸しが可能。
■PCまくらぎ運搬の従来工法との比較
保守用車を用いた機械施工
軌道上の走行が可能な工事専用の車両は総称して「保守用車」と呼ばれていますが、軌道作業を行う上では、この保守用車の使用が欠かせません。当社では、日本に数台しかない小型のマルチプルタイタンパ(miniMTT)を用いて軌道のゆがみを解消する作業を行っております。
また、軌道モータカーを効率的に活用し、レールやまくらぎ、バラストといった材料の運搬も行っています。
橋まくらぎ交換機
新幹線通路用走行台車
数キロに亘る新幹線トンネル内の人員移動および資器材の運搬を効率化するため、幅が狭い専用通路を走行可能であり、前後に運転席を設けた「新幹線通路用走行台車」を開発しました。
軌陸式道床ふるい分け機
掘削した道床バラストに含まれる再利用可能な砕石を最大限活用するため、線路内で良好な道床バラストのふるい分けが可能となる軌道陸上走行兼用の「道床ふるい分け機」を開発しました。
当社オリジナル機械器具
土木・建築工事に比べ軌道作業で使用する機械器具は市場に存在しないことが多いため、当社では軌道技能者のニーズに合わせたオリジナル機械の新規開発を積極的に行っています。
近年では、軽量かつコンパクトなバッテリー駆動の電動器具を用いた開発を重点的に行っています。
軌道工事管理システム
『軌道工事管理システム(KiKouKan)』 は、鉄道事業者様工事の実施計画をもとに策定する「工事計画」の他、成果物に代表される「工事写真」や「検測記録」、施工後の「出来高実績」管理など、限られたリソースで最大限のパフォーマンスを発揮するシステムです。
分岐器加工計画システム
『分岐器加工計画システム』 は、4000を超える「図集図面」管理の他、鉄道事業者様の交換要求調書をもとに現在の分岐器状態を確認する「現場調査」や「加工計画」支援、「加工実績」管理など、限られたリソースで最大限のパフォーマンスを発揮するシステムです。
軽量プレキャストC型ホーム柵基礎工法
『軽量プレキャストC型ホーム柵基礎工法』は、超高強度繊維補強コンクリート製のC型プレキャスト基礎ブロックと小径鋼管杭を用いた盛土式ホーム柵基礎工法です。軽量のプレキャスト基礎ブロックを用いることでホーム上等で楊重、設置が可能であり、人力で施工可能な小径鋼管杭とで簡易に施工できます。プレキャスト基礎ブロックは、エレベータに積載可能な重量であり、ホーム上を人力で運搬することができます。プレキャストボックス内に電力ケーブル等に配置でき、効果的に設計支持力を得ることができる合理的な基礎構造になっています。従来工法より生産性に優れ、工期及びコストが削減可能です。
開発:JR西日本、ジェイアール西日本コンサルタンツ、大鉄工業、ベルテクス
■施工写真
ホーム上揚重機
『ホーム上揚重機』は、駅のホームにおける安全性向上を目的としたホーム柵整備工事を安全かつ効率よく施工するための盛土式ホーム柵基礎等を設置する楊重機です。揚重機は、従来軌陸クレーンやフォークリフトを使用して設置していました。軌陸クレーン等では、線路上を走行するために関係線路の線路閉鎖工事が必要であり、このために施工日や施工時間の制限等を大きく受けます。この問題を解決するため、ホーム上で組立可能なアルミ製の門型揚重機を開発しました。部材は軽量で人力にて簡易にホーム上で搬入・組立てることができ、軌陸車の使用が不要となります。組立後重量も約300kgと軽く、ホーム上で使用制限を受けることはありません。当該線の線路閉鎖工事は必要となりますが、軌陸クレーン等を使用するケースと比較して、作業時間、作業日数を確保でき、生産性向上に寄与します。
開発:大鉄工業
■施工写真
防護シェルター先行推進工法
(Advancement of Protective Shelter Method)
線路下横断構造物を構築するための施工法であるフロンテジャッキング工法、ESA工法等では、ボックスカルバートの掘進に先立ち、掘進精度の向上やけん引用PC鋼線配置のためにガイド導坑を構築し施工しています。ガイド導坑は、一般的に掘削箇所及び背面地山を薬液注入工にて地盤強化して山岳トンネル方式(鋼製支保工+木矢板)で施工しています。この工事では、土質や地下水状況等の要因によって地盤強化が十分に図られない場合、すかし掘りとなる先行掘削部は背面土砂の崩壊により労働災害が生じる恐れがあるため、掘削作業員は防護保護具等を着用し、作業を行っています。本工法は、このすかし掘りが生じないよう先行掘削部のトンネル背面に鋼製の防護シェルターを設置して安全にガイド導坑を構築する工法です。
開発:大鉄工業、大阪防水建設社、植村技研工業
■施工写真
【従来の施工】
【本工法の施工】
小口径組杭壁体基礎工法
鉄道営業線の盛土部地盤等における防音壁・防風壁の施工は、線路に近接する狭隘な施工環境となることが多くなっています。この基礎工事では、鋼管杭等を採用し線路閉鎖工事により重機を使用して施工する必要があり、安全面や生産性の問題を抱えています。そこで、電動工具を用いた人力で施工が可能な小口径回転圧入鋼管杭を用いた基礎工法を開発しました。小口径回転杭の(斜)組杭による簡易な基礎構造であり、高い水平抵抗力が得られ、狭隘な場所でも安全かつ効率的な施工が可能です。
開発:JR西日本、大鉄工業
■施工写真
桁改修工法
長期間使用した鉄桁では、列車荷重の繰り返し、衝撃により主桁の上フランジの劣化が顕著に現れる場合もあり、この部分の交換が必要となることがあります。これを線路閉鎖工事にて安全かつ効率的に実施するため桁改修工法(主桁上フランジ部回転式取替方式)を開発し、使用しています。
開発:大鉄工業、宮地エンジニアリング
既存建物の免震化「大鉄免震レトロフィット工法」
大鉄免震レトロフィット工法は免震装置設置方法として、
大鉄工業㈱、間瀬建設㈱2社の共同開発で特許を取得しました。
大鉄免震レトロフィット工法とは?
■大鉄免震レトロフィット工法
耐震改修工法には、耐震、制震、免震の工法があります。大鉄免震レトロフィット工法は、自社開発の仮受け方法を特徴とする、既存建物を免震化する耐震改修工法です。施工中も建物のほとんどの部分を使用したままで、改修後には地震の揺れによる建物への影響が最も少ない免震建物へと改修することができます。
■概要
大鉄免震レトロフィット工法は、既存の柱等を切断・撤去して免震装置挿入する際、建物の重量を仮に支える仮受部材を設置することで、工事期間中の建物使用を可能とする工法です。
大鉄免震レトロフィット工法における仮受け方法の特徴を次に示します。
- 施工中の地震対策としてのブレースが不要(省スペース)
- 建物(上部)の鉛直変位を0.1mm単位で制御可能
大鉄免震レトロフィット工法の実績
■施工事例
当社の社員寮において、大鉄免震レトロフィット工法を適用した免震改修工事を行いました。
また、施工した建物に実際に振動を与え、変位追従性など各種免震性能の確認を行いました。
高層RC「高層鉄筋コンク
リート構法」
高強度コンクリートと高強度鉄筋を使用し、SRC造に匹敵する強度を実現する構法で、地上30階・100m級の高層マンションの建築も可能です。耐震強度、大幅な工期の短縮、コストの低減、土地の有効活用など様々なメリットを生み出します。かねてよりこの技術開発に取り組み、新技術の機械式定着構法を採用し、高層RC新技術「D&J-HRCシステム(大鉄工業・JR西日本G高層RC構法)」の名称で建設大臣技術評定を取得しました。
鉄道仮設用スチロダイア
ブロック「JDO工法」
JDO工法は、大鉄工業(株)、(株)JSP、 押谷産業(株)3社の共同開発で特許を取得しました。
鉄道仮設用スチロダイアブロック(JDO工法)とは?
■鉄道仮設用スチロダイアブロック(JDO工法)
JDO工法とは駅施設の補修・改修工事のためにプラットホーム間の軌道部に嵩上げ材の「鉄道仮設用スチロダイアブロック」と走行面保護用の「プラスチック敷板、ベニヤ合板」を組み立て、鉄道工事用仮設道路を設けるものです。
■鉄道仮設用スチロダイアブロック(JDO工法)の利点
大型重機不要
大型重機を使わずに
杭打機などの搬入が可能
時間短縮
人力で設置・撤去可能
標準時間 約30分※2線跨ぎの場合
工費削減
トータルで仮設
工事費を削減
鉄道仮設用スチロダイアブロック(JDO工法)の実績
■施工事例
■施工実績一覧(施工実績:2012年6月現在)
施工実績:2012年6月現在(66件)
大鉄工業(JR嵯峨嵐山駅・JR米原駅・JR高岡駅・JR宝殿駅・JR吹田駅・JR灘駅・ JR上郡駅・JR紀伊田辺駅・JR岸辺駅・JR杉本町駅 他36駅 他社実績でも多数の実施例があります。
■再利用の事例
使用済みスチロダイアブロックについては、 明らかな劣化などが見られる物を除き、 盛土材として再利用することが可能です。
さや管接合部材、ボルト、
無収縮モルタルを用いた鉄管杭と鉄骨柱の接合構法
「J-DAIA工法」
(読み方:ジェイダイア工法)
『J-DAIA工法』は、国土交通大臣の指定性能評価機関である一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能認証委員会の審査に合格し、平成26年1月20日「建築技術性能証明書」を受領しました。併せて3件の特許の出願と商標の登録も行いました。 本性能証明を取得したことによって、『J-DAIA工法』を建築基準法、その他関係法令に基づき適用することが可能となりました。
J-DAIA工法とは?
■『J-DAIA工法』-さや管接合部材、ボルト、無収縮モルタルを用いた鋼管杭と鉄骨柱の接合工法-
従来の鉄骨構造の杭を含む基礎工法では、鉄筋コンクリートで基礎を構築し、その基礎に上部構造の鉄骨柱を接合します。
今回開発した『J-DAIA工法』では、一般基礎や基礎梁等を介さずに鋼管杭と鉄骨柱とを直接接合することによって、鉄筋コンクリート基礎を省略することを可能としました。
この工法を採用することで、施工支障範囲の縮小化および工期短縮を実現することが可能となります。
また、基礎周囲の掘削量も削減できるため環境にも優しい工法です。
【在来工法との比較】
- 『J-DAIA工法』の適応範囲
建物高さ 13m 以下、階数3 以下
適用杭 :φ165.2~φ355.6mm(EAZET、EAZETⅡ、ATT コラム)
適用柱:角形鋼管、円形鋼管、H 形鋼(適用杭、柱の組み合わせに制限があります)
■ホーム上の旅客上家施工におけるメリット
ホーム上の旅客上家を新設するためには、従来の工法では大きなコンクリート基礎が必要となり、工事期間中は、長期にわたりホームが狭くなるなどの問題がありました。
旅客上家新設において『J-DAIA工法』を採用することで、工程と作業スペースの縮小を図ることができます。これにより、ホームの有効幅をより広く確保することが可能となり、ホーム上の仮囲い設置期間についても短縮することができます。